病院・診療所・歯科医院などの医療機関に限らずクレーマーはどの世界にも存在します。

一方、クレームは消費者の権利を行使する手段として重要な役割を果たしており、顧客の声をクリニックやサービス提供者に伝えることで、問題の解決や改善が行われることが期待されます。クレームを適切に対応することは、顧客満足度の向上やクリニックの信頼性の向上につながるとされ、クリニックの経営改善のヒントにもなりえます。

クリニック経営上のクレーム例

病院・診療所・歯科医院へのクレーム例は、以下のような事例が考えられます。

①医療ミスや誤診

医師が誤った診断を下し、それによって治療が遅れたり、誤った治療が行われたりした場合にクレームが発生することがあります。また、手術や処置中に医療ミスが起きた場合もクレームの原因となります。

②看護師やスタッフの対応不良

病院内の看護師や他のスタッフが無礼だったり、患者の要望や質問に対して適切に対応しなかったりする場合に、患者やその家族からクレームが寄せられることがあります。

③待ち時間や手続きの問題

病院における待ち時間が長く、予約や手続きがスムーズに進まない場合、患者はクレームを言うことがあります。特に混雑している病院では、待ち時間の問題がよくクレームの原因となります。

④病院の環境や設備の問題

病院の清潔さや快適さ、設備の充実度に問題があった場合、患者はクレームを言うことがあります。例えば、汚いトイレや不快な環境がクレームの要因になることがあります。

⑤コミュニケーション不足

医療従事者と患者とのコミュニケーションが不十分だったために、患者が適切な情報を得られず不安や不満を抱える場合があります。診断や治療の説明が不十分だったり、患者の質問に対して適切に答えられなかったりすると、クレームが発生することがあります。

これらは一般的な病院へのクレーム例ですが、個別の状況や病院の特性によってもクレームの内容は多様です。病院は患者の安全と満足度を最優先に考え、クレームに真摯に対応し、問題の改善に取り組むことが大切です。

クレーマーへの対応法

1.まずは相手の話をよく聞くことに終始する

・言い訳や積極的な反論はせずに、相手の話を聞くことに専念する。

・丁寧な言葉遣いや対応を心がける。

2.クレーム内容を把握する

相手の真意を見定めることに専念する。
相手に要求を出してもらうようにするのが理想。

3.交渉窓口は一本化

・交渉窓口を一本化することで事実や認識、考えの食い違いを防止する。

・院長など、幹部を安易に出さないようにする。

4.交渉は複数対応が原則

・交渉の際は複数で対応

・交渉の際は録音をする。

・交渉担当と書記担当といった具合に役割分担を決めて臨む

5.暴力や脅しがあった場合は

毅然とした対応をする。必要があれば警察に通報。

弱みをみせるとそこにつけ入ってくる
おそれがあります。

6.対応マニュアルの作成、事案を

共有する報告会を実施

対応マニュアルを作成し、クレーマー事案に備えたり、実際に事案が起きた際に事例を共有する報告会を実施する等して、院内での対応スキルを磨いておくことが大切になります。