運用と言うと短期で売買する事と思う方がいます。
「短期的に儲けたい」と言う願いでの運用は相当難しいです

なぜなら人には感情があるからです
買う時は「上がる!」と思って買っているはずです。
上がればいいのですが下がると「どうしようー」とか「待てば上がるはず!」と思ったり、「もうだめだから売ろう」と思ったり様々な感情が入り混じります。
待ったばかりにもっと下げたり、売ったのに利益が出るほど上がったりします
今まで30年以上証券業界にいて売買する人はこんな感情に一喜一憂しているように感じます
短期で売買する場合はなぜその時に「買うのか?」を理論武装しましょう
その後「売るルール」を自分自身できちんと決めなければなりません
人に頼っていたらいつまでたっても上手くいかないと思います。なぜなら何も成長していないからです。
自分でルールを決めてそのルールがあっているか日々検証する必要があります
日経新聞に増益の記事が出たから、とか、有名な方のブログに書いてあったから、とか、証券マンが儲かると言ったから。などは買う理由にはなりません
記事が出て自分なりに分析する必要がありますし、ブログや証券マンは今日買った方が良いという理由は言っていないと思います。良いと思っても自分で分析する必要があります
すでに世の中に出ている情報は「株価に織り込んでいる」と考えておいた方が無難です。
でも、世の中に出ていない情報をもし入手して株を買うと「インサイダー取引」で違法になります。なので短期の売買は本当に難しいと思います。私自身も短期売買はしないと決めています

本当に短期の株価や為替、金、など変動するものの明日の値段がわかるのでしょうか?
もしわかればリーマンブラザーズというアメリカの一流の証券会社が倒産するわけがありません。リーマンブラザーズの社員はマサチューセッツなどのそうそうたる大学を卒業し金融工学を学んでいた人たちで、知識力は抜群の軍団だったはずです。その会社が倒産したのです。

短期売買はやめましょう!

では本当の運用とは何でしょうか?
運用はあくまでも将来の経済環境の変化に備えるために行います

物価が上昇すると困る

働けなくなった時の収入がなくなるのが困る

老後、年金と貯えた貯蓄では不安

長生きした時に資金が足りなくなるのが怖い

等々の理由から「リスク回避」の為に行います

一番伝えたいことが「物価が上がるとなぜ困るのでしょうか?」ということです。

過去の歴史を見ると物価が上がると賃金が上がります。まさに今のアメリカやヨーロッパがそうです。特に米国は景気後退リスクと引き換えにしてまでも物価上昇を抑えるとFRBは明言し、過去0.75%を3回、0.5%を1回引き上げています。その事で米国のドルと日本円の為替相場は一時150円台に突入しました。(いまは136円付近です)

物価が上がると困るのは個人の金融資産が物価連動になっていない時です。一番最近の総務省の消費者物価指数の発表では2023年1月が前年同月比で4.2%上昇したとのことです。これは41年4ヶ月ぶりの上昇率だった様です。
では1年前に100万円だったものは今年いくらになったかというと104万2000円になったことを意味します(物によって違うので全てがそうなっているとは限りません)では1年前に銀行に置いておいた100万円の普通預金はいくらになっているでしょうか?代表的な銀行では年間0.001%なので100万円で10円の利息がついて100万10円になっています。これが「物価が上がった時に困る」ということです。1年前には買えたものが今年は4万1,990円足りなくなっています。実は経済を運営する側は適度な物価上昇を目標にしています。先進国では大方2%の物価上昇目標を中央銀行は目指しています。日本も日銀は2%の物価上昇を目標にしています。今現在より来年の方が、物価が上がる事が予想できる場合、人は今購入するという行動に出ますそれが経済をうまく回す原動力になるからです。物価が上がると賃金も上がってきます。頑張って働くと今よりも収入が増える事になります。そうする事で働く意欲も高まり、世の中の閉塞感も薄まり犯罪発生率も下がります。しかし、極度の上昇では人々の生活は困ります。いわゆるハイパーインフレです。今までも世界で起きていますが、これは人々の生活を圧迫します。なので過度な物価上昇は退治する方法を取る様になります。中央銀行は金利を引き上げお金の循環を落とそうとします。これは金利が上がると、借入れてまで事業展開する人が少なくなる事が代表的な考え方です。

そうすると基本的には物価上昇率と同じくらい増える様に運用する必要があります。収入には2種類あります。「既に受け取った収入」と「これから受け取る収入」です。これから受け取る収入は物価が上昇すると後に上昇してきます。今年に春闘では賃金の引き上げ請求している組合が多いと思います。ちなみにトヨタは組合の要求に既に100%の満額回答を出しています(賃上げ率は公表していません)。

問題は既に受け取った収入です。皆さんは何らかの方法で貯めていると思います。預金、個人年金保険、外貨預金、確定拠出年金(iDECO)、中小企業共済、倒産防止協会、などなどです。その中に「投資」も含まれていると思いますが、短期売買は「投資」ではなく「投機」なのでカウントしないで下さい。限りなくギャンブルに近いです。その受け取った収入を何で置いているか?そのおいている商品は物価が上昇するとどうなるか?を検討する必要があります。もし増えないようならどうするか考える必要があります。

また、老後の資金を心配される方もいます。金融庁が令和元年に出したレポートでは「平均2,000万円」足りなくなるとの試算を出しました。これは受け取れる年金の「平均」老後使うであろう「生活費の平均」を計算し100歳まで生きる事を考えると約2,000万円不足するとのレポートでした。これが一人歩きしたのですが、あくまでも平均なので人によって違うということになります。どう生きていくかにもよりますのでぜひ自分自身の今後の生活、老後の生活のライフプランを立てることが重要になると思います

そこでライフプランを検証した上で資産状況、収入状況を加味し投資を考えていく。ということになるわけです。なので運用は必要だと思っています。検討した結果銀行預金で大丈夫!となればそれでいいと思います。それも運用を選択したことになるからです。流されて銀行預金や郵便局で良いと言うのは極力やめた方がいいと思います。

何を選択するにしても投資にはリスクがあるのでそのリスクを理解し回避するような運用が重要です。

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