最近、歯科医を中心に院長の顔写真入りの看板をよく見かけます。
これは、八王子の「きぬた歯科」様が関東中心に屋外広告を何百枚も掲出し、ネットやテレビ等で紹介され
その看板効果も非常にあったといことで全国的に広がりを見せています。
またインスタグラムやツイッターでもいわゆるバズっておりその効果たるや何億円分とも言われています。
最近では医療機関のみならず、不動産会社や外壁工事業など様々な業種が顔出し看板を掲出しています。
ここで気をつけないといけないことをご紹介いたしましょう。
この顔だし看板はザイアンス効果という社会心理学に基づいています。
この効果は、人が他の人や物事に対する評価や好みにおいて、その対象との接触回数が増えると、好意的な評価や好みが高まるという現象のことで
ザイアンス効果は、ロバート・ザイアンス(Robert Zajonc)によって1968年に提案され、彼は、他の心理学者と共同でさまざまな実験を行い、この効果が確認されています。
一つの有名な実験では、参加者に無意識のうちに表示される単語や文字列を見せながら、それぞれの表示回数を変更しました。結果として、より多く表示された単語文字列ほど、参加者はそれらを好意的に評価する傾向があったと報告されました。
ザイアンス効果によれば、人々は何かに対して初めて接したときよりも、それなりに知っている場合により好意的な評価をする傾向があるとされています。 看板などで何度も繰り返し接触されると、その刺激物に対する感情的な反応がより肯定的になるということです
またザイアンス効果は、広告やマーケティングの分野で特に効果があるとされ
企業が、商品やブランドに対する消費者の熟知度を高めるために、繰り返し露出させるロゴ広告キャンペーンを
展開したり、ブランドやスローガンを頻繁に表示することでザイアンス効果を利用しています。
マクドナルドやスターバックスがロゴマークに力を入れて、露出を多くしていることはこれが原因でもあります。
ザイアンス効果の原因は諸説ありますが、最も強力な説は「反復暴露理論(mere-exposure Theory)」で、その好意的な評価や好みが高まっていくというものです。
ザイアンス効果は、広告やマーケティング、人間関係、消費行動のさまざまな領域で応用されているなど。できる可能性があるのです。
ただし、ザイアンス効果はすべての状況に効果があるということではありません。
一部の研究では、対象が強い嫌悪感や否定的な評価を考える場合には、再度露出によって好意的な評価が生まれにくいという結果また、個人の性格や文化的な背景なども、ザイアンス効果の影響を受けるとして少なからず行われることがあります。
すなわち良質なデザインや感じのいい顔出し写真であれば効果はありますが、そうではなくデザインが優れていなかったり、印象の悪い顔だし写真ですと悪影響を及ぼしかねないということも実証されています。
現に、医療機関ではないのですが、顔入り写真を掲出したものの、あまり清潔感がなかったり、あまりにも実際の写真と差異があったためイメージダウンとなり、逆にお客様を減らしていまった例も報告されています。
また当然当人の顔を掲出するわけですから、日ごろの行動も気を遣うことが必要となることを忘れないでいただきたい
と思います。
ですから!
看板デザインには非常に気を遣うことが重要です!
訴求したいことをしたいだけ看板面に盛り込んだり、読みにくい、わかりにくいデザインでは、効果どころではなく、
集患に悪影響を及ぼしかねない状況になることをよく考えて、デザイン力のある看板業者に依頼することが重要です。
中部医業経営サポート 安藤徳男